Tの備忘録

ダイアリーや書評など。

【2017年】読んだ本が30冊を超えました!

1. ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

ポール グレアム (著), Paul Graham (原著), 川合 史朗 (翻訳) / オーム社 / 2005/01

Tech界隈では著名なコンピュータサイエンティストであるポールグレアム氏のエッセイ集。
エンジニア・エンジニアが組織にいるビジネスマンが読むと面白いと思います。

2. 変身

フランツ・カフカ (著), Franz Kafka (原著), 高橋 義孝 (翻訳) / 新潮社 / 1952/7/28

いつか読んでみたかった通称「カフカの変身」。 諸説ありますが、現代においては「介護疲れ」を想起させる1冊でした。

3. How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) ―私たちの働き方とマネジメント

エリック・シュミット (著), ジョナサン・ローゼンバーグ (著), アラン・イーグル (著), ラリー・ペイジ (その他) / 日本経済新聞出版社 / 2014/10/9

さすがGoogleと言いますか、内容が濃く読むのにも時間がかかった印象です。
1度読んで損はない1冊です。

4. 小さな会社の新米サーバー/インフラ担当者のためのLinuxの常識

中島 能和 (著) / ソシム / 2014/8/22

「○○のための○○の常識」シリーズは内容が非常に易しく最近では「最初の1冊」として愛読させてもらっています。

5. 東京23話

山内 マリコ (著) / ポプラ社 / 2015/8/17

非常にノスタルジックで今年読んだ本の中でもトップレベルにお気に入り。
東京23区が1人称視点で語り手となる小説集。
漱石の旧居があった文京区は「吾輩は区である。名前は文京区。」という一節から始まり、新宿区の語り手は「京王プラザホテル」で超高層ビルが次々と建設される最中の心境を語ってくれます。
特に平成生まれの人にオススメしたい最高の1冊。

6. 本好きさんのための 東京 コーヒーのお店

川口 葉子 (著), ダ・ヴィンチ編集部 (編集) / KADOKAWA/メディアファクトリー / 2016/3/25

小冊子なのでパラパラとめくるだけでも楽しめます。
紹介されているお店で実際に訪問したのは初台にある「フヅクエ」というカフェですが、非常に居心地が良く、4時間ほど滞在してしまいました。

7. 第五の権力—Googleには見えている未来

エリック・シュミット (著), ジャレッド・コーエン (著), 櫻井 祐子 (翻訳) / ダイヤモンド社 / 2014/2/21

話が非常に大局的・地政学的なのでハンズオンで活かせるTipsより今後の指針になるような話が多かった印象です。
やはりこちらも読むのに数日かかりました。

8. スタートアップ大国イスラエルの秘密

加藤 清司 (著) / 洋泉社 / 2017/1/26 

2017年の1月、セキュリティについて調べている中で非常に興味を持ったのがイスラエルでした。
人口は800万人ほどの小さな国であるのに、スタートアップに流れるお金は年々増加傾向にあり、2015年時点で5000億を超えるそうだ。
日本は2000億程度であるとされるから1人あたりに換算するといかに多くの資金がスタートアップに投資されているかが分かる。
更に多くの会社がイグジットに成功しており投資資金の回収もうまくいっており、情報感度の高い起業家や投資家はこぞってイスラエルに注目しているそう。

9. コンビニ人間

村田 沙耶香 (著) / 文藝春秋 / 2016/7/27

芥川賞受賞作品。
なんとも現代っぽさのある1冊。

10. 採用基準

伊賀 泰代 (著) / ダイヤモンド社 / 2012/11/9

発刊は2012年だが、2016年も書店でよく見かけた気がしたので購入。
マッキンゼー本はとりあえず読んでおくスタイルで今後も読みまくりたい。

「Reactビギナーズガイド」を読みました。

2017/3/13 発刊の「Reactビギナーズガイド」を読みました。
仕事帰りに道玄坂にあるBOOK LAB TOKYOに寄り、技術書を2冊ほど抱えていたところ、入り口横の棚にある「Reactビギナーズガイド」というタイトルの本が目に留まりました。

「おや」と思い、手にとってみたところ、著者はReact.jsを開発したFacebookのエンジニアで発刊日は2017/3/13。執筆者が開発元であるということと、発刊されたばかりでフレッシュな情報ソースであるということで即買いしました。

構成としては第一部と第二部に分かれており、第一部ではHello Worldから、Reactではお馴染みのコンポーネントのライフサイクル、JSXなどについて記されています。
第二部では何となく使いがちなBrowserify、Babelなどの開発環境について1チャプター設けられている他、アプリケーションのビルド、ESLint・FLow・Jestを使った品質担保・型チェック・テスト、メジャーなデータフロー管理のアーキテクチャであるFluxについてまとめられています。

同書が特に優れていると思うのはJavaScript仕様にES6が用いられ内容が非常にモダンであること。
さらに先にも述べたとおり、何となく使いがちなBrowserify、Babelなどの開発環境について丁寧に解説していること。
これ1冊あればすぐにReact開発が始められるし、複雑な開発環境やpackage.jsonや必要モジュールについても理解することができます。

また、production環境で使う場合や大規模なアプリケーションに導入を検討する場合には必ず用いたいシンタックスチェッカーのESLintや静的型付けツールのFlowについても具体的な使い方と共に記されており、入門書であると共に大変実践的な内容にもなっています。

各チャプターは独立しておらず、第一部・第二部を通して1つのアプリケーションを作りながらReactを学びます。
その際に出来上がるアプリケーションも非常にリッチなUIで、よりWebアプリケーションっぽさがあると言いますか、ハンズオンで使っても非常に楽しさある本だと思います。

僕はReact歴1.5ヶ月でまだまだ初心者ですが、同書は非常にわかりやすく、かつ実践的でこれからReactにチャレンジしたい方や既存のプロジェクトに導入を試みたい方、Reactは使っているけどちゃんとドキュメントや本を読んだことがない方にとって大変オススメできる1冊です。

キングダムハーツ オーケストラ ワールドツアー【KINGDOM HEARTS Orchestra -World Tour】に行ってきた。

作業用BGMとしても日常的にYoutubeで再生しているキングダムハーツのBGMでしたが、遂にオーケストラの生演奏で聴く機会に恵まれました。

早いものでキングダムハーツも今年2017年で15周年を迎えたそうです。
初めてプレイしたのが小学生とは思えないですね。
1作品目はネバーランドの隠しボスであるファントムの倒し方が分からず死にまくっていました。
また、キングダムハーツをプレイしていた影響で随分とディズニー好きに成ってしまいました。
キングダムハーツⅢのトレイラー映像では「塔の上のラプンツェル」のステージが垣間見え大変楽しみです。

さて今回のキングダムハーツ オーケストラ コンサートですが、何気に初めてなんだそうです。
僕が知らなかっただけで既に数回に渡り開催されているものだと思っていたので意外でした。
いやはや、そんな貴重な第一回目のオーケストラコンサートに足を運ぶことができて大変幸せです。

1曲目は「Hikari」から始まりました。
若干花粉症の方もいたかもしれませんが、1曲目から涙する人も多く(隣の女性もハンカチで目元を抑えていた)、大変迫力があり、繊細で忠実な演奏でした。僕も終始鳥肌が立ちっぱなしでした。

キングダムハーツが凄いなという風に思うのは、Youtubeでトレイラー映像を見ていて、それだけで鳥肌が立ってしまうんですよね。
グラフィックは綺麗で、ストーリーは感動的、アクションは多彩で、それらを音楽がより一層、素晴らしいものへと引き上げているといった感じで本当に1つの芸術作品だと思えてなりません。

実際にファンも多く、小学生にプレイしていたゲームを20歳過ぎてもプレイして面白いと思えることは凄いことだなと思います。
ヒットしたとはいえ15年も運営を続け、ファンやユーザーを楽しませ続けるのは並大抵のことではないはずです。 本当にキングダムハーツの開発に携わった方々には感服するばかりです。

ぜひこの先もキングダムハーツの世界を描き続けて欲しいなと思います。
スクエアエニックスキングダムハーツチーム、東京フィルハーモニー交響楽団、その他今回のオーケストラ ワールドツアーに携わった皆さんには素晴らしい時間を提供して頂き感謝の気持ちで一杯です。
また機会があれば演奏を聴きたいなと思いました。

【2017年】読んだ本が20冊を超えました!

1. 現代語訳 論語算盤

渋沢 栄一 (著), 守屋 淳 (翻訳) / 筑摩書房 / 2010/2/10

2. 世界で突き抜ける

佐藤 航陽 (著), 竹中 平蔵 (著) / ダイヤモンド社 / 2016/3/18

3. 結物語

西尾維新 (著) / 講談社 / 2017/1/12

大好きな西尾維新さんの物語シリーズ最新作。
久しぶりの阿良々木が語り手となっており楽しかったですね、ラストは胸が熱くなりました。

4. 起業のファイナンス 増補改訂版 ベンチャーにとって一番大切なこと

磯崎 哲也 (著) / 日本実業出版社 / 2015/1/16

今年、または人生で2冊目のファイナンス本。
とても分かりやすく、起業に対する捉え方が変わりました。

5. 学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)

福澤 諭吉 (著), 斎藤 孝 (翻訳) / 筑摩書房 / 2009/2/9

有名な作品ですが初めて読みました。
現代語訳がされているので読みやすく分かり易いと思いました。
また、愛国心など現代においてはピンと来ない部分も一部ありますが概ね勉強になる内容でした。
特に、僕のような世間や社会、世界を知らず半ば甘く見ているきらいのある者には良書でした。

6. 掟上今日子の家計簿

西尾 維新 (著), VOFAN (著) / 講談社 / 2016/8/23

刑事と組んで事件を解決するシリーズでは短編作が多いので読みやすいですね。
寝る前に1時間ほど読んで1事件解決という感じで良い息抜きになります。

7. 掟上今日子の旅行記

西尾 維新 (著), VOFAN (著) / 講談社 / 2016/11/17

やはり忘却探偵シリーズの語り手は厄介が一番ですね。
ドラマ版も観ているだけあり、やはりこの2人の組み合わせは心踊ります。

8. ホワット・イフ?:野球のボールを光速で投げたらどうなるか

ランドール・ マンロー (著), 吉田 三知世 (翻訳) / 早川書房 / 2015/6/24

NASAに勤めていたランドール・マンローさんという方がwebマンガ家として活動している際にwhat ifというwebサイトに寄せられた質問とその回答だそうです。
NASA出身だからか物理や宇宙系の科学的な質問・回答、思考実験が多くとても楽しかったです。
おかげさまで宇宙にも興味が湧いてきました。

9. 人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。

千田 琢哉 (著) / 日本実業出版社 / 2011/7/28

著者の千田さんは何でも大学時代に1000万円以上を本に使い、10000冊以上の本を読んだそうです。
人生で大切なことは全て書店で買えるかどうかはともかくとして、それだけ本を読んだことがある人もなかなかいないだろうと思い購入してみました。
本を読んでいると本を書きたくなるという気持ちはとても共感できました。
最近は本を沢山読む人の本棚やおすすめの本について興味があります。

10. 作家の本棚

ヒヨコ舎 (編集) / アスペクト / 2012/5/31

写真と文章で構成されている本書ですが、流石に作家さんの本棚は圧巻です。
多くの本を蔵書できる作家さんの自宅はどれも広く、沢山の本に囲まれながら黙々と執筆活動をするという生活はちょっと憧れる気落ちがあります。


最近少し忙しく、書評や考察をブログに書き起こす時間があまりないので短いですが一言感想を添えてみました。
購入するスピードに読書が追いついていない上、その日の気分でビジネス書を読んだり小説を読んだりとつまみ食いスタイルで読書しているので読了されていない本が溜まる一方で栞が全然足りません。。。

せかいフューチャー

タップスの佐藤さんの著書やブログを読んでいてグローバルでビジネスをする意味とかを考えていたのですが、GoogleFacebookAmazonSpaceXなんかが描く未来像が比較的酷似しているのであればそれはもはや資本主義経済における競争ではなく協業なのではと疑問に思いました。
しかし少し考えるとそれでも各社を資本主義経済に当てはめてみると当然競争していることになるのだなと思い直すことになりました。

そうやって競争を繰り返したり、新たなものが生まれたり消えたり新陳代謝を繰り返すうちにテクノロジーや仕組み・ルールが進化した末、機械が食料を生産して、生活用品を製造して流通させてくれるようになったりすれば我々は働く必要すらなくなるわけです。

ということはそれまでは企業や国家は競争を繰り返しても良いというのが今時点での結論です。
つまり競争の結果グローバルに行くのは自然ということですね。 しかし機械が生産、製造、流通を行う未来の人間というのはさながら現代で人間に餌を与えられるペットのようですね。

予測不可能な現代と言われるくらいですから、なんとも言えませんがそんな感じで好奇心や探究心を失わず、努力や活動を通してそういう考察もしていき、仕事を通して色んな人をハッピーにしつつ、後世により良い世界を渡したいですね。

【書評・考察】世界で突き抜ける

まずはじめに、本書はNewsPicksに掲載されたメタップス代表取締役である佐藤航陽氏と竹中平蔵氏による対談をまとめたものである。
279ページに渡り、リーダーシップ、教養、テクノロジー、先見力という4つのテーマに沿い2者がそれぞれ意見を述べている。
【書評】現代語訳 論語と算盤と同じく、印象に残った言葉を並べながら本書を紹介・評したい。

リーダーシップ

リーダーとして物事をマクロで捉えたりミクロで捉えたりすることの切り替えについて対談される中、竹中平蔵氏はアートについて以下のように述べている。

アートに触れると、本当に世の中を見つめ直すというか、自分を見つめ直す瞬間があるじゃないですか。アートって感動なんですよね。それは映画でもいいし、音楽でもいい。感動した瞬間に心がリセットされて、もう1回自分のやりたいことい向き合えたり、本当に大事なことに気づいたりする。そういう効果がアートにはあると思います。(竹中)

これは誰しも経験があると思うので分かり易いと思うが、絵画や彫刻に限らず映画や音楽もアートとして考えるとそれは確かに感動である。(エンターテイメントの側面もあると思う)
僕はこの息抜きとも捉えることのできる文化的な活動を頻繁に取り入れるタイプで映画やドラマは好んで観るし、漫画やアニメも時々嗜むが、大抵異なる世界観や人物たちのストーリーに感動したり笑わせられたり考えさせられる。これは竹中氏によるところの「心がリセットされて、もう1回自分のやりたいことい向き合えたり、本当に大事なことに気づいたりする。」瞬間であると思う。
さらにかの吉田茂ブッシュ大統領ケネディ大統領などもこのような文化的な時間を週末に取り入れていたと言う。

個人差はあるだろうが人間誰しも日々ストレスはかかっているはずなので、息抜きやリセットするための習慣や方法を見つけることは1日1日を豊かで生産的なものとするためにとても有効であると思う。

教養

僕は教養とパッションを両立させるのは難しいと思っているんです。つまり、教養を持つようになって、いろいろな歴史とか法則性を理解すると、何かを恨んだり何かを攻撃したりするのが難しくなるでしょう。言ってみれば、どんなことでも別に誰が悪いわけでもないから。こっちから見たらあっちが悪人でも、相手の立場になればこっちが悪人ですし。そう言うことは国と国の対立でもあるでしょう。

でもその一方で、ビジョンとかパッションを持つと言うことは、何かを激しく思い込むということでもある。視野が狭くて思い込みが激しいと、それが突進する力になると思うんです。でも教養を広げていろいろなものを知ってしまうと、いまの世の中、たいていのものはそれなりに合理的に成り立っている。(佐藤)

これは本当にその通りだと思う。
僕が以前友人と会社を設立しようとしていた頃、彼は「俺はエンジニアじゃないからコードを書けないけど、だからこそ実現可能かどうかなど気にせずプロダクトに対して口出しする」と言っていた。
教養というわけではないが、僕も全くコードを書くことができなかった学生の頃の方がアイデアが次々と浮かんでいたように思える。そして最近いつしかバイト先の店長に言われた「普通技術はあるけどアイデアがなくて困るんじゃないかな」という一言の意味を覚ったりした。
教養は身につけるべきであると思うが、どこかで社会の合理性を割り切りビジョンを掲げることがリーダーには必要なのだろうと切に思う。

余談だが、佐藤氏はブログや他の著書でも「人生の賞味期限」という表現でこれと同じことを言及している。


でも私はなんだか最近、いろいろなことを知りすぎると、人間って不幸になるんじゃないかと思うんです。つまり視野が狭いうちはひとつのことだけ見てればいい。でも視野が広がっていろいろなものを選べるようになると、そのなかからどれかを選ばなきゃいけなくなる。どれかを選ぶということは、どれかを落とすということだから、「もしかしたらこっちを選んだほうがよかったんじゃないか」という後悔と無縁でいられない。なので、選択の幅が広がれば広がるほど、人間の幸福感って下がっていくのかなと思います。(佐藤)

これも先ほどの教養とパッションの話に通ずるものがある。
特に情報にアクセスしやすくなった現代であれば誰でも経験があるのではないだろうか。就活で複数社から内定をもらった学生、複数の異性から同時に告白された場合、インターネットショッピングでものを買うとき、現代においてこの問題は誰しもが直面していると思う。

また、これに対して竹中氏は以下のように述べている。

これは行動経済学にもよく出てくるたとえですけど、会社の食堂があって、そこはいつも1種類の定食しかないとします。「もっとメニューを増やせないのか」と言ったら、ある日突然、メニューが10万種類になった。そんなのとても選べるわけがない。そうなったとき最高のぜいたくというのは「シェフにお任せ」なんだよね。(竹中)

なるほどインターネット業界で話題となるコンシェルジュ型のサービスはまさしく情報・選択肢の多すぎる現代における「最高のぜいたく」であろう。

先見力

変化していく世の中に対応していかなければ衰退していく一方であるが、果たして現在の日本はゆでガエルであるのかという論点について石油ショックを経験した竹中氏は以下のように述べている。

エレベーターがもったいないからといって、ビルの6階とか7階まで階段を上らされましたからね。 (中略) だから、省エネ技術を開発するしかなかったんですよ。でもそのおかげでいまの日本は、GDPの1単位を生み出すために使うエネルギーと排出するCO2がアメリカとヨーロッパの2分の1です。インド、中国と比べると9分の1。こうなった最大の要因は石油危機です。(竹中)

これは小さな失敗をしている場合の方が結果として強くなる傾向にあるということを示唆すると共に、現在の日本に対して希望を見出している。
また佐藤氏は日本について、豊かさ故のイノベーションの必要性の少なさや移民がいないが故の国民の危機感のなさについてこれと同じことを言及している。


以上が本書で印象に残った2者の言葉であるが、共感できる部分や参考になる点、考えさせられることの多い1冊であった。
書籍の他にもNewsPicks有料会員の方はそちらでも閲覧することができるので若者を中心とし多くの人にオススメしたい。

newspicks.com

【書評・考察】現代語訳 論語と算盤

本書は渋沢栄一が執筆した「論語と算盤」から重要部分を選び現代語訳した新書である。
元となっている「論語と算盤」を読んだことはないが、レビューを調べると現代語訳と言っても比較的その思考を読み解く形で訳されているそうである。
mixiのCEOである朝倉祐介氏の著書である「論語と算盤と私」という作品を読んだことがきっかけとなり購入してみた。

さて、まず本書の感想を述べたいところだが言葉で表現することが何とも難しく、強いて言うなら誰しもが1度は聞いたことや諭されたことのあるような人としての正しさについて書かれている印象を受けた。これだけの名著ともなると流石に僕の思慮が浅いが故にその程度の感想しか抱けないのではないかと些か自身を疑わざるを得ない。

なので本書を読み進めていった中で印象に残った言葉をいくつかご紹介したいと思う。


「修養」- 自分を磨くことは、どこまで続ければよいのかというと、これは際限がない。ただし、このときに気をつけなければならないのは、頭でっかちになってしまうことだ。自分を磨くことは理屈ではなく、実際に行うべきこと。だから、どこまでも現実と密接な関係を保って進まなくてはならない。

これは正しく僕自身が直面している問題でもあった。
仕事に関する知識・スキルはもちろんのこと、社会に出てみると学生時代には全く気にならなかったことや興味のなかったことに不思議と興味が湧いてくる。
つまり仕事に関わりのないことに関しても知りたくなるということである。それ自体は良いことだろうと考えているが、週末本屋に出向き興味のある本を2~3冊購入しては読みふけるといったことを繰り返しているとインプットばかりし、まさしく頭でっかちになってしまうのではないかという恐怖に駆られることがある。

全く、頭でっかちになり批判家になることだけは避けたいと思うばかりである。
常に実践家であり、何かに還元できるよう意識して「修養」に励みたいものである。


孝行は親がさせてくれて初めて子供ができるもの。子供が孝行をするのではなく、親が子に孝行させるのである。

渋沢栄一父親は栄一が18歳の頃からその頭の良さに気がつき、そのまま栄一を自分の手元においておき言う通りにさせたかったそうだが「自分のいう通りにさせたいがそれでは逆に親不孝にしてしまうから今後は思う通りにさせたい」と言ったそうだ。
その影響を受け子供と接する時も同じような態度で臨むようにしていたそうだ。

僕は親孝行とは子が親に対してするものだと思っていたが、この言葉は新しい考え方を与えてくれた。
僕は大学を4年で辞めたが親は将来の心配は少々したものの、口うるさく怒鳴ったり問い詰めたりはしなかった。
それだけではないが比較的僕の意思を尊重してくれているので親不孝を働こうと思ったことはないし、むしろできるだけ実家に身をおき親との時間は大切にしたいと思っているので確かに親が子に孝行させるという考え方もあるのかもしれないと思った。

ただ子としては自分が思うように理解されずともよっぽどな理由がない限りは大事にする心がけくらいは持ちたいものであるが。


学校の生徒など、その教師をまるで落語家か講談師のように見ている。「講義が下手だ」とか「解釈が劣っている」とか、生徒としてあってはならないような口を利いている。これを違う側面からみれば、学科の制度が昔とは違い、多くの教師に接するためもあるのだろう。しかしそれにしても今の師弟関係は乱れている。と同時に、教師の方も自分の教え子を愛していない嫌いもあるのだ。

要するに、青年は良い師匠に接して、自分を磨いていかなければならない。

これに関しては僕も大学の講義を素晴らしいものだと傾聴するどころか辞めてさえいるので目の毒とも言える言葉ではあったが、一方で「良い師匠に接して、自分を磨いていかなければならない」というのは23歳の若者としては全くそうしたいと思ったし、将来自分もそうならなくてはと身が引き締まる思いでもあった。
いやそれどころか兄弟がいる身としては年下に対しては良い師匠でありたいし、同世代の仲間たちの中でも師匠となれるよう日々努力を怠ってはならないと思うばかりであった。(だが僕は漫画を読んだりゲームをするのが好きだ)


人は、人としてなすべきことを基準として、自分の人生の道筋を決めていかなければならない。だから、失敗とか成功とかいったものは問題外なのだ。かりに悪運に助けられて成功した人がいようが、善人なのに運が悪くて失敗した人がいようが、それを見て失望したり、悲観したりしなくてもいいのではないかと思う。

成功や失敗というのは、結局、心をこめて努力した人の身体に残るカスのようなものなのだ。

これが最後になるが、こればっかりには非常に勇気付けられる。
言っていることはその通りだと思うが、「成功や失敗というのは、結局、心をこめて努力した人の身体に残るカスのようなものなのだ。」という一言は非常に力強さを感じるし、あっさりもしている。
どんなにチャレンジングな人間でも不安になる瞬間はあるはずだというのが僕の持論ではあるが、そういう時に心を奮い立たせてくれるのは大抵こういう言葉や心の持ちようなのだろう。


以上が新書「現代語訳 論語算盤」を読んで印象に残った言葉である。
さて次は何を読もう。